「出てくるものだけ」

ライブ活動(歌っている)斉藤めいのブログ https://saitome.localinfo.jp/

きぼうのひかり

選ばれない夜があった。

理解されない夜があった。

無視、されているわけでないけど、見向きもされない夜、

一人ぼっちの夜があった。

そんなときは、冷静なときならばなんでもない出来事でさえも、自分を否定している声のように聴こえた。

 

誰にもわからないかも知れないけど、たった一人でも、ここに立つのだと思っていた、

けどそんな覚悟をしていても、暗い闇みたいなものに飲み込まれて、足元がゆらいだ。

 

苦しい。孤独だ。辛い。

でも、そんなときなのに、ひとしきり泣いた後は、なぜかいつも希望の光のようなものが一筋、差し込んでいた。

私はそれは煩わしいと思った。

希望の光なんかなければ、闇の中にずっと居られれば、いいのに。

ここからまた這い上がらなきゃいけないなんて、なんでよ。そんなしんどいことなんでしなきゃいけない。暗い部屋の中にいさせてくれよ、と思った。私が本当にそこから抜け出せなければ、抜け出そうなんて思わなければ、いつか慣れるし、多分周りの人も諦めてくれるし、中途半端に希望なんて見せられるくらいなら、いらないのに、なんで差し込んでくるんだよ、こんな光は。

そう思っていた。いつか光さえ消えて絶望の海に沈んだら、それはそれで世界の深淵が見えるでしょ、それではそれでいいでしょうと思っていた。

 

だけど希望の光がいつまでたってもなくなりゃしない。

何回傷ついても、いつでもそこに見えてしまう、その光が。

性懲りもなく、いつでもそこにあるので、もう諦めることを諦めることにした。

いつでもそこにある、そいつについて歌ってやろうと思った。

だって、絞り出すでも、無理矢理呼び出すのでもなく、ただそこにあるのだもん。

 

そしてそれが私のたった一つの才能だと、ようやく気が付いた。

希望の光が見えてしまう才能。

深淵にいる人が見たら、バカバカしいって思うかな。

それでもこれは役割分担です。これが私の役割です。

どこにいたって見えてしまいます、誰に対しても見えてしまいます、光が。

 

煩わしかった眩しさを、今はとても大切にしている。