新月
ありがとうございました。
「面倒くさいこといろいろ書きつつも、終わったら『最高でした!』って結局言うんじゃん。」
と自分で思いますが、
そうです。めんどうくさいあの不安でどうしようもない気持ちを経験した後の、成功だったからこそ、そう思えるんです。
成功と言うのは、来てくれたあなたの顔を見ながら、今音楽の中にいるなと確かに思えたことを言います。だから結局は私の気分の問題なのかも知れないけれど、聴いてくれた人たちも、楽しかったならいいな。と思います。
なんかね正直、やっぱり「こうだったらいいな」という理想みたいなものは、あったんですよ。
「こういう人(年齢層、性別)にたくさん来てもらいたいな」「この場面ではこういう風になったらいいな」「このくらいの人数きたらいいな」とか。正直言うとです。
でもそういうのを、目安にするくらいならいいんだけど、『目的』にする必要はないと確信したというか。「結果は後からついてくる!」というまでは強い主張ではないし、一旦目安として考えること自体は悪いことではないと思っているのだけど。
でも、そういう細かい設定みたいなのを、自分でコントロールしようとして成功したこと、私は一度もない。し、今回「失敗など何もないけど、次への反省」で自分に挙げられることを突き詰めると↑のようなものをコントロールしようとしていた、ということにほとんど全て行き付く。
『いいライブをする』結果、『来た人に喜んでもらう』
このシンプルなのが全てだ。特に私のような人間には。
不器用なくせに、小賢しい調整をしようとするなよ。
あの日あの夜に来てくれた人、一緒に演奏してくれた仲間、見守っててくれたライブハウスの人。
それで全てだよ。そして作られた空間や時間は、私が「想定」なんかしていたものを、はるかに超えていくんだ。
どうなるかわからないことを、支配下に置きたいのは不安だから。なんだけど、その不安を持ち続けつつも暴れさせないようにする。
そして来てくれた人を信じる。ここまでやってきた自分を信用する。
それ以上はもう、ああなれとかこうなれとか、コントロールしようとすることはないな、と、それがわかったのが、あの3rdワンマンライブでした。
もちろんこれからも、まだ見ぬ誰かに届くよう、その場にいない人にも届くように歌います。
それでもやっぱりライブは、その日その場所のもの。
と、大好きなミュージシャンのライブにも数年行けていない自分でも思うのです。
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期待をしてしまうよね。
でも期待って多分重いよね。
期待じゃなくて応援できたらいい。
「私の思い通りにはならないけど、でもあなたの人生が幸せならいいね」って。
昔からどうしても人に期待してしまう癖があり、それが憎い。
たとえばだけど、「あなたのライブを観に行くかも」と言ってくれた人がいるとして、
勿論単純な嬉しさも大いにあるんだけど一方で『ああこの人が来てくれたら"自分はこう安心だから"、絶対に来てほしい!』と心のどこかで思ってしまい、その人が何らかの事情で来れなくなれば、ああ…もう私なんかダメなんだ…どうせと落胆してしまうことが、ちょっと前まではだけど、よくあった。
でもこれって多分向こうの立場に立てば、そんな重圧をかけられたらとツライと思う。
だって人は様々な事情で生きているし、時間・お金・体力・気力、すべてそろわない事には『約束』をするのだってなかなか大変なこと。あの人は自分の生活でいっぱいいっぱいかもしれない。あの人は家族がいるかもしれない。あの人は仕事が忙しいかもしれない。あの人は無理できる身体じゃないかもしれない。
今居てくれる人に感謝こそすれど、居れない人を責められることなど何一つない。
「あの人が(私にとって都合がいい)あの行動をしてくれるだろう」なんて、ただの私の頭の中の出来事でしかなく、あの人には本当は関係がない。
そもそも私だって約束したものに、時間・お金・体力・気力いずれかが伴わずに断念したことだってたくさんあるし。
期待するのはもうやめた。それは「期待なんかしたってどうせ裏切られるんでしょ…」という後ろ向きなものではなく、「期待なんかしなくたって、いつでも誰でも、期待以上のその人の人生を生きてるよ。だから期待なんかせずにあの人自身を応援するよ」と思う。
もし私が期待なんかしちゃうことがあったとしたら、それはあなたではなく私の問題なので、もう放っておいてください。
それでもどうしても期待をしてしまうときがあれば、1人とか2人とかではなく、1000人2000人くらいに期待をして、一人ずつにかけるものを軽くするので、安心してください。
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グルグル何周も周ってやっぱり同じようなところに来る。
それでも前に周ったときとは少し違う景色。
上昇気流に乗っている。
今を大事に生きる。
ちょっぴりだらけた季節の変わり目の自分にすらハートマークをつけながら、
耐え忍ぶのではない、頭をクリアにさせる、
あの寒さを迎える準備をしている。