「出てくるものだけ」

ライブ活動(歌っている)斉藤めいのブログ https://saitome.localinfo.jp/

夏を守る人   (長い文章です)

怒涛の夏が過ぎた。いや、まだ終わってないと思いたいんだけど。

なんだかとてもたくさんの、自分でも驚くくらいの人達に出会って、それは途方もなく暖かい人であったり、私や世界が作っていた 境界 とか 限界 とかとにかく『なんとか界』なんていうものはまるで「最初から無いものですよ」と当然のように振る舞っている自然な(私にとっては驚異的な)人達であったり、しかもそれはずっと私がCD越しに聴いていた音楽を 作った人であったり。

140文字に収めろなんて言われたらそりゃ陳腐な表現にもなってしまうときもあります、ゴメンナサイね。

 

すごい人の側にいたからと言って、自分がすごくなれるわけではない。それを勘違いしてしまったら、私はずっと勘違いで、そのすごい人達に本当の意味で近づけずに遠いままだ。

それを私に問わせるかのように、本当にすごい人たちは、本当の意味で優しい人たちばかりだった。変わらぬ距離で話し、良い意味の軽さで訪れてきて、 サッと誰かと誰かをものすごい引力で繋げたかと思えば、眠った人に自分の羽織物をそっとかけてくれるような優しい人達だった。

そもそも「すごい」ってなんだよ。そう、そもそも私の「すごい」の中に『変わらぬ意志を貫き続け、戦い続け、その苦しさを知りながらも(いや知っているからこそ)優しい』という意味が含まれて、それこそがすごいんだよ。だから本人たちは多分周りの目ほどはすごいと思っていない、だって有名とか権力とかそういうスゴイとはまったく別物だよ。

優しい人は、また別の誰かの優しさを守るために戦っているとも言えるのかも知れないと思ったら泣けてくる。

 

「空は泣きそうだけど、どこか笑っている」

私の大好きなソウルフラワーユニオンの『サヴァイヴァーズ・バンケット』という曲。ソウルフラワーユニオン自体が、明るいのに泣きそう、泣きそうなのに笑っている存在なんですけど私の中では。

この夏全体にそういうものがすごくあって、私は、この人生が切なくて懐かしいものになる。まだ一度しか生きていないはずなのに、そんな優しい誰かが生きているおかげなのだよきっと。「可愛くキスして裸で抱き合いましょう」!

 

大阪での遠征ライブ、@難波ベアーズ。

大阪のUFO CLUBと言われている難波ベアーズ。私もUFO CLUBに残骸としてでも出演してる身だし、オシリペンペンズとかクリトリック・リスも出てるライブハウスだしおもしろそー!と思って出演依頼してみたら、お盆で休みの日を、人を集めてやることにしてくれた。ブッキングの黒瀬さんに大感謝。

共演の四万十川友美さんを絶対女性だと思い込んでたら男の人だし、なんかとても自由だし「東京からわざわざ来たんやろ」ってケーキをくれたし。なんかもうヤラれた。このあったかさが関西ですか!って、もう私をヤルのなんて簡単ですよ。

もう一つ共演はバンド、桃色神社。ああ大阪来たなあってここまで思わせてくれるバンド、他にいなかったんじゃなかろうか。コントと暴れる音音音。お客さん大爆笑。あんなんやられたら、「私って、まだまだ薄っいんだなあ」と思ってしまうじゃないですか。

自分のことでは、新しい地だからって力入りすぎてたな。もっといつものままやれば良かったんだ。と反省しきりなんですが、ライブ後に黒瀬さんと桃色神社のみなさんと、打ち上げ後の定番らしい大阪王将に連れて行ってもらえたのは本当に楽しかった。

そもそも『関西人』を良い意味でも大げさな意味でも「みんな芸人みたく面白い」とか美化しがちな関東人だとは思うんですが、でもやっぱね、面白いよ。

会話のテンポが速いんだけど、居心地悪いときに感じる「私がなんかしゃべったら、この場の空気変わっちゃうんだろうな」というのが無い。いい具合に拾ってくれるし放っておいてくれる。その場にとりあえずいるだけでも楽しいや、と適当な気持ちになる。別に『関西人』という括りではなくてこの人達だからなのかも知れないけど、まあ、コロッと大阪大好きになりましたよね。

最後に送ってくれるついでに皆さんと大阪・ナイトハイキングしたのも、前に観光で来たときの大阪と違った景色がたくさん見えた、本当にありがとうございます。

また、行っても、いいですかね、・・・。

 

その後ちょっと精神が荒れた状態で奈良に行き、なんとか鹿を撫でつつ 大仏を見上げつつ、また大阪に戻り、今度は友人が紹介してくれた梅田のバーに行く。

ここでもちょっと歌ってみる?という感じだったのだが、凄まじい体調不良と、合コンらしき催しで楽しそう盛り上がってるグループがいらっしゃっりましたので、とてもとても・・・ということでお酒を少しだけ頂いてマスターとお話しするのみにしました。良くしていただきありがたい。そして『考え方は自分と違うけど、この人おもしろいなあ』という非常にグルーヴィーな内容のお話が出来たので この日も良い夜に。

 

翌日親戚(祖母の姉、一応おばさんと呼ぶ)のいる京都へ。

あ、この辺からは、もはや楽しい観光です。

次の日和歌山に移動する予定だったので、もうーゆっくり休みたいと、おばさんちで寝て過ごそうと思っていたけど、少し昼寝して美味しい冷やし中華食べておばさんと話して、フラッと散歩した。

でも京都の”フラッと”は、『枯山水の庭園があるお寺』とかにすぐぶつかるわけで、非常に趣レベルが高いわけです。

結局 フラッと散歩 にやみつきになり、調子に乗って、夜も鴨川の方までバスで行ってフラフラ歩いて帰っていたら、帰りが遅いのに心配したおばさんが私を探しに出てきたようで、丁度家の少し前で出会った。

「あんた心配したよ!駅まで行こ思て」「でも無事で良かったわあ」と、90歳なのに、足悪くて近所のスーパー行くのも大変と言ってたのに、心配してくれた、おばさん。

泣きそうになって、おばさんごめん、自分は勝手にフラフラと自由にやってるだけで、こんなに心配してくれる人がいるなんて思っていなかったんだよ、勝手でごめん。くそやろうな若者でごめんと思った。

携帯があるから電話してくれれば良かったとか、今の私たちの発想なら迷わずそうなるけどさ、携帯どうの、とかじゃなく、自分を顧みずに心配してくれる その原始的な優しさをせめてずっと忘れずにいようと思った。くそやろうな若者のせめてものお詫び。

 

おばさんの話を楽しく聞いて、普段思い出すことのない親族のことを考え、いかにも日本らしい和室で眠る、貴重な夜。

「めいちゃんに会えるのは最後かも知れないねえ」というおばさんの言葉だけは真実にならないように念じつつ、早朝、見えなくなるまで見送ってくれるおばさんに手を振って出発した。

 

それから京都駅で くろしお号 に乗って和歌山。

私は結構国内旅行が好きで、日本の県は結構行ってると思うんだけど、和歌山、福井、富山、山口、滋賀だけはまだだった。

そのうち和歌山は、陸の孤島那智勝浦』がずっと気になってた。三重や大阪奈良、どこから行っても遠いけど、でも海沿いにずっと続く線路やら、熊野という歴史ある秘境やら、何かもう良い予感しかしない上に、最近好きになったブルースギタリストの濱口祐自さんの故郷(むしろ在住地)でもあるから、車窓を見ながらそれはもーわくわくしてた。

海が見えた。どんどん青くなっていく。一度だけ行ったことのあるニューカレドニアに風景が似てた。日本のニューカレドニアだ和歌山は。

 

「ここは串本、大島が見える~♪」とおばさんが歌ってくれた(こういう歌があるらしい)串本駅についたら、貴美ちゃんが迎えに来てくれた。

貴美ちゃんはカメラの巨匠と言われる人の元弟子で、すごくいい写真を撮る(今は撮ってないらしい もったいない)、私にとって「こんな女友達が欲しかった」という友達。おおよそ芸術とは無関係な場所で出会い、3度くらいしかまだ会ってないけど、よく貴美ちゃんの良さを発見したわ私 と褒めたくなるくらいにかけがえのないのですが、そんなことって、あると思うんだよね。うふ

 

本州最南端の串本の絶景を見て、貴美ちゃんと暑さのせいで2秒で溶け出したアイスをダラダラこぼしながら笑い、序盤からいい予感しかしなかったけどほんとにいい事しかなかった。

貴美ちゃんのお母さんは、私が行きたい!と言った場所にことごとく「そこつまんないわよ~うふ」と謙虚に?言ってたけど、

そんなことないです、もうね、和歌山、ほんとに、素晴らしい。ほんとにほんとにすばらしい。日本の中でも素晴らしいと思ってしまうよ、順位なんてつける必要ないけど。

あのね私的に、『PRが出来てないだけで素晴らしいじゃないか県』で、今のところ山形とツートップだ。(素晴らしくてPR出来てるところは省いている)

海も、山も、熊野大社も、貴美ちゃんと語りながら浸かった冷たい川も、

某有名ホテルに忍び込んでみた、街と海が見渡せる絶景も

お兄さんに連れってってもらった花火と 高原からの星空と、ギターをみんなで回し弾きして、お兄さんのキヨシロー熱唱を聴いてたことも。

そしてバーベキューしてたところに濱口祐自さんが登場して、「この土地で生まれたんだなあ」っていうのが不思議とわかるような音のギターを弾いてくれたことも。

全てが完璧な夢のようでした。いや、夢で想像する完璧よりも完璧でした。いや完璧とか言いたくないけど完璧なんでした。しつこい。

 

前に、友人に、各地のリゾートに格安で宿泊出来たるリゾート権を買わないか、という話されたことがある。なんかマルチ商法なのかも知れないけど、うまくやれば魅力的なのかも知れない、とか思った。いや純粋に思った。2万位するホテルに、数千円で泊まれるというもの。へーすごいじゃん、器用なやり方じゃん、って。

それでも、価値観はそれぞれだけどね、こうね、地元の人に案内してもらい、とっておきの場所とか見たり、私はすぐに帰ってしまう旅行者だとしても一瞬でもその土地で家族みたいに接してもらえたりすること以上に、旅をする幸せなんてないと思う。どんな高級リゾートより、私にとってはな!

出会った人たちにありがとう、なんて胡散臭いことは極力言いたくはない、ただ私はこれからも「和歌山最高だよ」とか「いい旅だったな」って勝手に思い出したり言いふらしたりすることで、この言葉をお世辞じゃなく本当のものにしていきたいんでした。

 

と、毎年なぜか夏にする旅は良い旅になってしまう斉藤は、

これだから夏は好きなんだよ!と思いつつも、さすがに休みなく活動しすぎて急激ダウン。昨日とか超ダウン。約束してたみなさんに迷惑をかけた。ごめんなさい。優しい人に甘えすぎている・・・。ああー少し休んだら、またやるか、やるしかない。

たまにつらいけどやるしかない。やらされている、とは違う、生かされている、とかそういう意味で、どうせやるようにできている、という気はしてる、勝手にしてる。

どーか、もうちょっと、ふんばれますように。

 

とりあえず近日のライブ告知です。

8/26(水) 下北沢ラグーナ http://www.daisybar.jp/laguna/
  開演 18:40- 出番 19:15- 共演:野村洋祐 / オトウトの課題 / 澤寛子 / 握月
  前売 \1,500-+D 当日 \1,800-+D

急遽、代打出演!


8/28(金) 大塚Hearts+【※THROPSのコーラスとして出演】
  http://hearts-web.net/plus/
  開演 18:30- 出番 18:30- ヒカシュー / うみのて / テンテンコ
  Opening Act : THROPUS
  前売 \2,800-+D 当日 \3,300-+D

すごいよ!コーラス参加だけど、フジロックサマソニ出場の大御所と対バンだよ!


9/1(火) 高円寺CLUBroots! http://www.muribushi.jp/
  開演 19:00- 出番 20:00以降  共演:池永芽
  前売 \1,200-+D 当日 \1,500-+D

めいめいの日。

 

今後ともどうぞよろしくお願いします。(OL)