収集作業
自分一人の力じゃもうどうにもならない気がして、
「ああきっと、仲間に助けられる日になるんだろうなあ」と思っていたら本当にそうだったワンマンライブ。
とても良かった大成功だった。
お客様が、直前まであまり集まらなくて、ああ、どうしよう、たくさんの人の力を借りているのに、申し訳ない、どうしよう、とかいうことを、ずっと思っていた。思いつめすぎてた。
そんなとき、行くよ!と来てくれた人の中に、ミュージシャン仲間が多くいて、
そして本番でも大好きなミュージシャン達に終始救われた。
なんだろう、私はいつも自分のことしか考えていないし(キャパシティーが少ない)、人のライブも頻繁に行くわけじゃない(体力がない)、付き合いのよくない奴だけど、それでも仲間っていうものは、「いいんだぜ」っていう感じで助けてくれるものなんだなあと。
何が言いたいかって、もっとこんな人たちを信頼しようと思うんだよ。
私はいつだって「迷惑かけるの嫌だから誘わない」とかそういう、人の生活に入り込んでしまうのが怖かったというか、自分なんかが皆様の時間をとらせてすみません、みたいな意識が常にあったのだけど、もうそろそろそういうのは終わりでいいかなと。
出てきた音楽があって、それを演奏したくて、みんなにも手伝ってもらって、どんどん良いものにしていって、それでいいんじゃないかと。
そんな当たり前のことが、やっとできるようになった。遠慮なんてしたくないよ。やらなきゃ、誘わなきゃ、巻き込まなきゃきっともったいないんだ。
そしてもちろん、ミュージシャンでない斉藤ファンの皆様。変わり者で、素晴らしい皆さま。
数多くいる素敵なミュージシャンの中で、多分時代おくれなのであろう私を応援してくれて、本当にありがとうございます。
なんかこういう気持ちも、今までは「応援ありがとう、なんて、なんか偉そうで言えない」とか思ってたのですが、今は素直にそう思います。いつも本当にありがとうございます。
ようやくミュージシャンらしくなってきたんですよ。
希望の光が前に見えてきた。
そんなときに、
あの子がライブを辞めるって聞いた。
あの人が、2階から飛び降りたって聞いた。
あの子が今日もツイッターで死にたいと呟いてた。
私は何にもできないじゃん、と思う。
どんな人の人生も、その人の人生だよ。そうだよ、私が入り込めるなんて思うなよ。
分かってるんだけど、何か出来なかっただろうか、何か出来ないだろうかと思ってしまう。
あの子の今の目の前のことをなんとかしたいと思ってできることって、つきっきりで、片時も離れず、落ち着くまで、そばにずっと居てあげることか。
誰のそばに、いつまで、どのくらいいてあげたら大丈夫になる???
そんな助けたいなんて言っても、勝手な自分は、結局は薄情で、きっと人ひとりなんてとても支えきれずに、逃げ出してしまうと思う。勝手な自分だけど、それだけ、人ひとりを助けるっていうのは並大抵のことじゃないんだと思う。
だからその方法じゃない、誰かとずっと一緒にいてあげるだとか、私がやるべきなのはその方法じゃないんだと思う。
直接あの子に何かしてあげられないのだとしても、私が、私のやることを逃げずにやって、恐れずに広げて、それが周りまわってあの子の苦しみを1ミリでもとれることに繋がるんだと信じてやり続ける。それしか多分ない。本当にそれを本気でやるしかないんだよ。
毎日充実しています、好きな音楽を、好きな人たちと出来ていてとても幸せです。
でもそれは、私だけの希望じゃない。絶望の中にいるあの子にとっての一筋の光を生み出すための、私の光集め作業の一環。だから私がまずは幸せを続ける。ときどき落ちそうになっても、光集めは止めない。