「出てくるものだけ」

ライブ活動(歌っている)斉藤めいのブログ https://saitome.localinfo.jp/

妙齢、春の暁にご喚弾

あれっ

「言いたいことがいっぱいある、さあ書くぞ」と思って文字を打とうとした瞬間に、頭の中から全部消えた。

進むべき道はハッキリしているのに、自信がなくて、まだ「合ってるの?」って誰かに確認したい状態のまま、かろうじて歩いてきた。

 

嫌な奴に出会った、とてつもなく良い人にも出会った。

私は、ただ「とてつもなく良い」方、そちらだけを見続ければ良い。人間は近くにいるもの、見ているものに勝手に影響されると思う。それならば、私もとてつもなく良いものに出会えたことだけを、見ていれば良いのだと思う。

わかっているのに、「嫌な奴」の方に、”なんでわからないんだよ”とか、”いつか見返してやる”と思ってしまう。"認められなかった"とどこかで思ってしまうこと自体、自ら「嫌なもの」を体に少し取り入れてしまっているみたいになる。

 

誤解される書き方をしてしまったけど、「嫌なもの」とは、自分にとって嫌だというだけで、他の誰かからしたらかけがえのないものかも知れない。

誰だって 自分が自分の物語の主人公だなんて、恐ろしいと思わないか。と東京ディスティニーランドさんが言っていたけれど、私が嫌だと思っているアイツだって、自分の物語を生きているに過ぎない。さすがの私にだって口だけだろ!と分かるお世辞を人に言って周りながら、「自分サイコー」って思っているかも。

 

その、自分にとっては「嫌な」物語でザコキャラクターにされたからといって、なんだというんだ。そんなの取るに足らないことだよ。

「とてつもなく良い」物語を生きてる人をみながら、「とてつもなく良い」と思う自分を生きるしかないじゃないか。

私はいつでもブレブレ。ブレてブレてブレまくる。それが悔しい。いつだって、迷わずに居れたらと思う。悩んでブレてそれがいつか何かに繋がるよって言ったって、いいかげん、迷わないようになりたいのだ。

 

* * *

 

ある飲み会でミュージシャンと話したときに、「お前はすぐに人を持ち上げる癖があるんだよ」と指摘された。なんだかヅケヅケといろいろ言われた。

でも、出会ってすぐなのに本質を見透かされた気持ちと、こっちの気も知らないでこのやろー、という気持ちが一気にブワーと押し寄せてきた。だけどその人は、確かに言い方はヅケヅケでも、嘘をつきたくないのだ、ということがわかった。

向こうは酔っぱらって「言いすぎちゃったな」という雰囲気だし私は「その通りだよバカヤロー、でも私には私が考えてきたことがあるんだから一概に否定すんなよ!」という感じで場は混沌とするし、感情をゴチャゴチャにされつつも、悔しさも怒りもなんだかとても素直に湧いてきたような心持ちになった。

でもなんだか全てこれでいいんだなと思った。もしかしたら相手は変な女を相手にしちまった、と思ってるかも知れなくても、私は、(笑) 何も嘘つくこともなく、無理することもない言葉を口に出来たことで、なんだか閉まってた心の扉的なものが開いた気がした。

 

『これ、嬉しいでしょう?』『哀しいでしょう?』と誰かに押し付けられて感じるのではなく、『こうしなきゃ、ああ言わなきゃ』という意志でもなく、自分の内側から勝手に湧いてきたような感情を言葉にしていた。

相手はまだ若いけど栄光と賞賛を手にしたであろう人だった。きっと、「凄いですね」なんていう言葉は言われ飽きていて、でも、自分がまだまだ(世間では成功したように見えても、より自分の中に目指すものがあるという意味で)未熟ということを自覚していて、きっとお世辞なんかじゃない、言葉だけの上っ面のことなんじゃない、『本当のこと』が聞きたい人なんだと思った。

友川カズキさんと話したときも、同じ感じがした。見え透いたお世辞なんか言おうものなら、「お前は射殺だ」と言われた。

 

そうなんだよ、お茶の間レベルで超有名人とかは事情がまた別かも知れないけど、それ以外、良いミュージシャンであればあるほど、正直で、誰に対してでも本当の意味で対等で、優しいんだよ。斉藤調べ。でもこれは本当だよ!中途半端なやつの方が、とっても上から目線でエラそうなんだよ。上手いかも知れないけどお前に心は揺さぶられねーわ!ってやつの方がね!

 

その人の前では、嘘がつけない、すぐに見破られ、薄っぺらい上辺だけの褒め言葉は正体を暴かれ、本当の自分の真ん中にある心でしか、話しができなくなる。

そして普段そこを閉じていると、案外開くのは難しくて、出てくる言葉がなくなる。

もうすっかり閉じきって、自分でも分からなくなってしまうところだった。

だって、私結構、心を開いてる方だと思ってたけど、人から見れば全然開いていなかった。嫌われたり何か思われるのが怖くて、まったく閉ざしてたことに、やっと気が付いた。本当に自分じゃわからないんだよ、驚くほどに。

 

『自分の気持ちに素直に!』なんて言葉は、言われすぎて、形だけになっている。でもその本当の意味を実践することは、本当はとても難しい。

でも、そうありたい、と望んだら、すでにそうである人が、ちょっと強引にでも凝り固まったものをこじ開けてくれるのかも知れない。そこに最初に必要なのは自分の意識で、そのあと必要なのが「素敵な人たち」かも。

だから私は「とてつもなく素敵な人」たちを見る、ブレる心はいろんなものに捕らわれそうになってしまうけど、そっちを見るようになるべくする!

 

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告知をします!宣伝だ宣伝だ!!

 

 4/23(土) 新宿dues

    優雅灯×斎藤めい企画 『妙齢、春の暁にご喚弾』

  OPEN 17:50 / START18:00 予約¥2,000 当日¥2,500円 +D代

  共演:優雅灯 / 高橋ルミ子 / 吉美四季(シキソクゼクウ) / 丸橋ミケ(黒猫財閥、艶街)

 

優雅灯というバンドとの共同企画ライブです。

優雅灯のボーカル、空詩(からし)お姉さんは、ブレない人です。だから私はからし姉さんみたいになりたかった。とすら思います。是非、来てください。

私が誘った高橋ルミ子ちゃんも、低音の効いたすごく良い声で唄うんです。

ぜひ来てください。

 

  5/20(日) 高円寺喜楽

 【日常IGNITION vol.3】

  OPEN 19:00 START 19:30 当日/前売り¥1000

  出演:オーノ アキコ(60'whales) / 林 明日香(water closet) /トンカツ(二宮友和ex.eastern youth) / 工藤テッキン(ex.HUSKING BEE

  DJ ポール シモノン

 

テッキンさんとかトンカツさんはまさに、『とてつもなく素敵な』人です。

オーノさんと林さんは本番で初めて聴くのだけれど、悦士さんいわく「ドギモ抜かれる」お姉さま方です。 

 

ご予約はこちらまで。monbiri_4@yahoo.co.jp

 

*冒頭の飲み会で、私がヅケヅケ言われている横から、また別のミュージシャンが「その心の扉あけてみてえなあ~!!」と笑いながら言って、場の空気が一気に許されたのを感じた。言い過ぎな相手と、泣いてるめんどくさい私も、このままで良いんだと、それで許されてる感じがした。人には役割があり、説教する人も、説教受ける人も、なごます人も、それはそれで、『自分』というものに素直に向き合って自然に振る舞った結果ならオーライ、ということなのかも知れないと思った。

 

長くなりましたが、今日は以上です。