かけがえのない時間
ライブハウスが次々と閉店していくのをボーッと見ている。
中には自分も出演したことのある場所、浅からぬ時間を過ごした場所もある。
それでも私はただ見つめているだけで、とても薄情なんだと思う。
ただ素直に感謝を伝えたり、悲しんだりしたらいいのに、何もできなかった自分には何も言う資格はないと思ってしまう。罪さえ感じている。
すべてを諦めた訳ではなく、自分の中でどうにか守れる範囲の、片手の指に入るような数のものだけで、出来うるほんの少しの中を今過ごしている。
こんなことくらいしかできなかったのかぁ、と等身大の自分を知る。でもきっと知れてよかった。本当にごめんなさい。
この罪はどこにも持ってはいかないでここに置いていく。そして、ときどきここに帰ってきて思い出すよ。ありがとう。