すべての人が平穏な生活を続けられますように
『ミュージシャンは政治に口出ししない方がいい』
その言葉について、今から8年程前から「なんでなんだろう?」とずっと考えていた。
それは賛成とか反対とかそういうの以前に、
「空はなんで青いの?」と聴く子どものような幼いシンプルな疑問でした。
8年も考えてたので、なんとなく、きっとこうだろうなという結論は出た。
つまりきっと、
私が思っている『政治のことを話すこと』と、
口出ししない方がいいと言う誰かの『政治のことを話すこと』には
同じ『政治のことを話すこと』でも、かなり意味が違うから、じゃないかと。
言葉にするとシンプルで当たり前だと思われるかもしれないけれど。
どんどん世の中が移り変わっていくのでニュアンスは変化するのだけど、大きくはそういうことだろうと。
私は、政治に言及するミュージシャンに対して。
『音楽を愛する人や、そうでない人々の生活のことも本気で考え、世の中が良くなってほしいから』、
話すのだと思っている。
そりゃあ中には、あまりにも攻撃的な言葉で、身勝手に語る人も居ないことはないかも知れないけど……
ほとんどがそうでなく、本気で良くしたいと思い、批判はしてもなるべく理性的に伝えようと思ってると思う。
ミュージシャンは、人間に関わる機会が多い職業だと思う。
(※私がミュージシャン代表で話します!なんていう気はまっったくありません。ミュージシャンでも当てはまらない人やミュージシャン以外にも当てはまる人はたくさんいる、という前提はありつつ、『私が見てきた「政治の事を話すミュージシャン」』について、ということです。)
そしてミュージシャンは"音"そして"人間の心"なんていう、捉えられなく不確かで、正解がないもの、正解があったとしてもコロコロ変わる、よく分からないものと向き合っている。
それと向き合っている瞬間は、
「社会的な概念(こうした方がいい、一般的にはこれが正しい、これが日本では常識だとか)」
とは、かけ離れたところに意識が向いている。
それだけじゃないけれど主に『一人一人の人間』にフォーカスしていることが多い。
そんな浮世離れした場所から見ると、
お国の為、経済成長、戦略、外交関係、○○戦争……「世間」で言われてるいろんなことや、「国」という大きなくくりは、
『一人一人の人間』の事情や感情、喜びや哀しみ、幸せや不幸せ等、人間として大事なものを見えなくしてしまうことがあると気がつくんだと思う。
「世間」や「国」という括りは、
一人一人の人間をざっくりした判断(年齢、性別、国籍etc……)しかせずに、
強引に一つにまとめたものでしかなくて、実体がない。
人間にとって唯一確かなことは、
『一人一人の人間』として存在しているということ。
それ以上に、正しいことなどないのであって、
国のためよりも何よりも『一人一人の人間』として生きる、それこそが人間の真理なのではないかと思い至る。
「世間」や「国」、そういうくくりも、より豊かな生活を送るために、ときには必要なもの。
でもそのくくりによって逆に、一人一人の人間の豊かな生活をおびやかされることは、あっていいことじゃない。
この世の中を作っているのは、一人一人の人間と、そしてその行動を決めうる『仕組み』だと思う。
『仕組み』は『政治そのもの』じゃないか。
その仕組みがおかしかったら、生活がおびやかされることも、当然あるだろう。
今、最も分かりやすいのが「戦争」だ。
おかしくならないように見てなくちゃ、自分たちの将来や、未来を生きる子どもも守れないことになる。
おかしくならないように、職業なんかは関係なく、ここに生きる者として、『一人の人間として』意見を語る。
それは浮世離れした考えか?出しゃばりか?
私は思います。いいえ。結果的には、私たちが一人の人間でありながら、どうにか世界を継続していくにあたっては、
最も合理的で、理性的な考えです。
そう思っています。
「世間はそういうものだから」
「国の偉い人がこう言ってるから仕方ない」
と諦めてしまう前に、何かできるのではないかと。
美しい世界を守れるような行動が何か出来るんじゃないかと思ったときに。
一人の人間として危機を感じ、
応援してくれるファンのみならず
知らない人、アンチの人のでさえ、平穏に暮らせる自由を、守りたいと思ってる。
そういう人が多いんじゃないかと思っている。
それは「わざわざ外に出て、誰かを威嚇して喧嘩しようとしてて暴力的」なんじゃなくて、
「大事な家に泥棒に入られそうになったので家を守ろうとする強さ」なんじゃないか。
どんなに権力を持った人でさえ、すごい力を持った人でさえ、
私たちはどうしても、どうしようもなく「一人の人間」です。
人間のための仕組みなのに、
人間より「国」を重要視しつづけたら、いつかは仕組みは破綻し、ぶっ壊れると思う。
ぶっ壊われたときに苦しむのは、何も罪のない人たちかもしれない。
だからやっぱり、ぶっ壊れればいいとは思えない。
だからゆるやかに、少しずーつ変わっていけばいいと思って、政治に言及する。
そんなミュージシャンへでも、「政治のことを話すな!」と思うでしょうか。
*
そして『ミュージシャンは政治に口出ししない方がいい』という人についても、本気出して考えてみました。
こちらも勝手な想像ではあるのですが。
もちろん『口出ししない方がいい』って言う方々の中にも、
「ハア?いーからお前らは歌だけ歌ってろやwww」的な、ちょっぴりイジワルな方w もいるとは思うのだけど……それは一部で、
悲しみ、驚き、心配からそう言ってくれる人の方が、圧倒的に多いんじゃないかと感じた。
『政治の事に関すること』は、コロナ禍で「もうタブーとか言ってられない!」という雰囲気も出てきたものの、
まだまだ敬遠される話だから、今までそんな発言を聴いたことない人からされたら、ビックリしてしまうと思う。
何よりも、なにかを批判するときは、人は攻撃的にもみえる。
(最終的には人々の平和を守るために言ってたしても)「平穏を壊そうとしてる」行為にも見えるし、もし大好きな人がそんな過激(に思える)発言をしていたらショックだろうな、とも。
それに、自分の好きな人が、自分とは違う意見と知ってしまうとか、自分とは相いれない考え方をしていることを知ってしまうのも、ショックかもしれない。
知らなければずっと気持ちを寄せられたかもしれないあの曲も、今までと同じ気持ちで聴けなくなってしまうこともあるかもしれない。
それは確かに悲しいことで、避けられるのならば避けたい。
もしも「人は一人一人違うんだから、考えが違うくらいでそんなこと思うな!歌と人格は別だ!そう思えるように強くなれ!」とか言われたところで、そんなことは無理だと思う。
想いが強いからこそ悲しいので、政治的発言がその"想い"を否定するものでは絶対ないにしても、汚されたような感じになってしまう感覚もあるかも知れない。
それを仕方ない、とは言えない。
政治的発言に対する反発や批判、その裏には深い悲しみがあるのかもしれないと思う。
そんな悲しみは、できればない方がいいと思う気持ちに嘘はない。
そして、そんな諸々の、色々なことが起きてしまうことを予想して
「そんなこと言って大丈夫なの?💦」と、応援しているからこそ心配してくれる人もいるだろうと思う。
何も言わない方が、政治について語らない方が、今までと同じ平和でいられるのに。
わざわざ困難な道を行かなくてもいいよねと思う気持ち、良く分かる気がする。
ただ、私は思う。
今政治について声を上げている人たちは、
『このまま政治のことについてミュージシャンが何も語らなければ、音楽が出来る場所が、人々が平和に音楽を楽しめる機会がどんどん減ってしまうという危機感を持ってる』
かもしれないということ。
『本当は政治のことなんて忘れて、音楽のことだけ考えていたい。
でも、この先の未来のためにこれ以上避けられないと思い、やむなく話している』
かもしれないということ。
政治のことを話すミュージシャンの多くは、
皆、誰かを傷つけてもいいと思ってるのではなく、
過激な争いが好きな訳でもなく、
"平和が続いてほしい"
本当にただそれだけなんだと思います。
それを頭の片隅で想像してくださったら、本当に幸せなことですが、
ただもしかしたら政治のことを話してほしくない方々も、
また別の部分で"平和が続いてほしい"と思っているのかもしれませんね。
必要以上に攻撃的になったりしないこと、感情的な言葉を使いすぎず少しでも伝わる言い方を選ぶこと。相手の思いを想像すること。
その双方の理解こそが平和の道だな、と思ってしまいます。
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ここは蛇足です。
ここまで書いておいてですが、私自身は別に「政治のことなんか話すな」と言われたこともないし、SNS等見ていても8年前とは比べ物にならないほど、ミュージシャンでも政治を語っていい雰囲気にもなってるし、なんだか大げさになってしまったかなと思う気持ちもあるんですけど、参議院選挙を前にしてずっと考えていたことを形にしたくて書きました。
ミュージシャンは、みたいな大きすぎる主語になってて、「自分は違うんだけど…」って方には本当に申し訳ないです。私が(自分を含めて)見てきた~という文脈で読んで頂けると幸いです。
そしてここからは完全に自分の意見であって、ますます一個人の考えですが。
政治を知ることは人間を知ることだと思っていて、それは別に難しくて高尚な「人間とは~~(~ㇾ~)」ってことじゃなく、
「○○さんってこういう人に見えるけど、実際こうだよね」的な積み重ねなのかなと思います。
「Aさんってメッチャ感じよく見えたけど詐欺師だった!」とか
「Bさんって口は悪いけどすごい思いやりのある人だった」とか。
相手(政治家)は百戦錬磨で魅せ方にも長けてるので、「この人こう言ってるけど本当かな?」と考え出すとキリないってこともあるんだけど。
自分はこういうことで困ってるとか、こういう社会になればいいなとなんとなくでも思っていたらそれに近い候補者、より社会全体を良くしてくれそうな、もしくは一番マシだと思える、行動してくれそうな人を選ぶ、でもそれはそのときだけじゃ分からないから長期的に判断してうんぬん……………って、
わーーーやっぱり、『すぐに使える!選挙はこう決めればOK♪』みたいな方法は、
ないですね!
投票してみる。その人が何をやってるかを見る(国会中継?今ならツイッターのフォローでもいいかもしれない)。自分の判断がどうだったか考えて、次また投票する。
とか説明し始めると固くなっちゃう、簡単に伝えることができなくて、すみません!!
ただきっと、音楽とかもそうで、知らない世界はいったん怖いし知ってる世界がいいけど、やってみる!聴いてみる!とりあえず!ってところから始まるよね、とも思います。
蛇足おわりです。
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ちなみに私は、まず「権力を長く持つと、その組織も人間も腐敗していく」と思っています。
それは批判してるとか好きとか嫌いとかいうよりも、歴史が漫画が音楽が全力で「人間て、こういう生き物」と教えてくれた、ただの真実だと思っています。
大きな力を持ちすぎた与党(自民党)は、やっぱり組織の利益のために動いてしまっているといろいろなニュースの出来事から思っていて、それはその組織の中にいる人や、その恩賜を受けてる人にとっては正義だし、変わってほしくないというのは当然だ、ということは分かるけど、
私はやっぱり政治は、どこに属してもいない、広く一般の人々も平和に暮せるためにあってほしいなと思うので、弱者をすくい上げようとしている野党に投票するつもりです。
出来るか出来ないかは、私たちがこの目で見ていけばいいと思います。